【お心に沿う御法衣】鈴木法衣店お誂え事例 ー 弘法大師御生誕1250年記念七條袈裟 ー
鈴木法衣店は、お客様お一人おひとりの想いに向き合い、お客様のご要望を伺い、それを御法衣というかたちに昇華させることが使命であると考えております。お客様のご要望に真摯に向き合うことは、私たちにとって何よりの喜びであり、学びであり、歩みの原動力です。
これからもお客様との良いご縁が繋がることを願い、この連続コラム「お心に沿う御法衣 鈴木法衣店お誂え事例集」にて、お客様のご希望に沿ってお仕立てさせて頂きました13点のお誂え品をご紹介いたします。
こちらのコラムでは、千葉3号宗務支所様からご相談を頂戴しお仕立てしました、「弘法大師御生誕1250年記念七條袈裟」をご紹介いたします。
「下絵から創作──弘法大師御生誕1250年記念七條」
弘法大師御生誕1250年記念七條袈裟
お誂え品に込められたお客様の想いと、弊社のご提案
弘法大師の御生誕1250年という特別な節目を迎えるにあたり、「この記念にふさわしい揃いの御袈裟を作りたい」と、支所の皆様よりご相談を頂戴しました。
かつてオリジナルデザインで制作された七條に並ぶ、特別な一領を形にしたいとの強いご意向に、私たちも身の引き締まる想いで臨ませていただきました。
皆様のお声からは、「御大師様の精神を御袈裟に映したい」、そして「ご購入される方が必要とする仕様を自ら選べるように」との深い配慮が感じられました。
そうしたお考えに応えるため、色・サイズ・季節といった仕様を選択可能にするだけでなく、身長別の平均寸法を算出し、個別に合わせたご提案ができるように準備を進めました。
織元とも綿密に連携をとり、複数の色見本や意匠案をご用意。1/3縮尺の紙見本や、配色イメージをまとめた下絵も作成し、打ち合わせ段階から完成形に近いイメージをご確認いただけるよう努めました。
特に、横皮の中央部分に配置されている月輪と五鈷杵の位置と向きは、お袈裟を纏い皆様が御大師様の御影と同じ位置に腕を持ってきた時に位置が揃うように調整を重ねました。
中でも印象的だったのは、初回の柄を選ぶ場面。皆様が抱かれる弘法大師様への敬愛と、そのお姿に重ねる真摯な想いに、深く胸を打たれるとともに、その想いに何としてもお応えしたい、ご希望に沿うご提案をしたいと改めて強い決意を固めた瞬間でもございました。
その後、対話を重ねて制作に取り組んだ結果、多くの方にお喜びいただける一領が出来上がり、総本山長谷寺様や市民文化ホールでの法要にて揃いでご着用頂けたことは光栄の極みであり、また揃いのお姿は圧巻の一言でした。
すずきのお誂え後期
ご要望に合わせてオリジナル柄の金襴生地の製作、またご身長に合わせた特別寸法でのお仕立ても承っております。
お仕立てギャラリー
ご着用される方がお色とサイズをお選び頂けるよう、複数パターンの御袈裟をご用意させて頂きました。
横皮の中央部分に配置されている月輪と五鈷杵の位置と向きは、お袈裟を纏い皆様が御大師様の御影と同じ位置に腕を持ってきた時に位置が揃うようにこだわった点でした。
制作過程に用いた資料や織工程
色やサイズ展開に加え、1/3縮尺の下絵・資料の作成を通じて、丁寧な選定と確認を重ねました。
御袈裟とともに企画・制作し、ご納品させて頂いた品
その他のお誂え事例
この連続コラム「お心に沿う御法衣 鈴木法衣店お誂え事例集」では、このほかにも様々な想いのこもったお客様からのご依頼品、お誂え品をご紹介させて頂きます。
それぞれのお仕立て事例の詳しいお話は、順次、特別コラムにてご紹介させて頂きます。既に公開済みのコラムは、商品名をクリックするとコラムページに遷移します。ぜひご覧ください。
<お誂え品>※お仕立て年月順
・白茶本手刺遠山台納戸塩瀬縁三層縫七條袈裟「師の姿を映す──敬仰の念から生まれた一領 」
・明綴別織多宝塔台古代紫ブドウ唐花縁七條袈裟「五大の象徴を織り込んで──信仰・構想・美術・織技が融合した無二の納衣七條」
・自坊で洗える折五條「酷暑に寄り添う──洗える折五條で、夏のご法務を快適に」
・白シルック紗台青磁金紗雨竜鳳凰刺繍入割切「施餓鬼の場にふさわしく──揃いの割切を長く、美しく」
・生平本麻(台鼠、縁千歳茶)九條袈裟「境内の面影を色に託して──支所の心をひとつに結ぶ九條袈裟」
・化繊縦絽 古義半帽子「夏の装いに、快適さと格式を──洗える帽子の素材提案」
・弘法大師御生誕1250年記念七條袈裟「下絵から創作ーーー弘法大師御生誕1250年記念七條」
・冬赤金通唐花(蔓葉部分緑色)輪違五七桐紋白五條「弘法大師生誕1250年を彩る、千葉五号支所様だけの揃い袈裟」
・寺紋+菊三諦章刺繍如法衣 北斗七星デザイン「信念を描く北斗七星──寺紋を纏う如法衣」
・祈りの桜染褊衫「想いを紡ぎ、祈りを染めてーーー森羅万象の美しき桜染褊衫」
<御法衣のリメイク・アップサイクル>
・直綴から座具「二領の直綴を未来へ──志を宿す座具としての再生」
・帯から地蔵袈裟「想いの帯を纏う──家族の記憶を祈りへ昇華した地蔵袈裟」
・御法衣からトレンチコート・紳士ジャケット「祈りを纏い直す──御法衣から生まれ変わるアップサイクルのかたち」
「伝統と革新」展のお知らせ
この度、大本山護国寺様内 月光殿を拝借して「伝統と革新展」を開催します。
この連続コラムでご紹介させて頂きましたお品は、本展における「歩みの間」という、弊社の創業から今日までの歩みの中でお仕立てさせて頂いた逸品の御法衣をご紹介する「間」にて、実物をお客様から大切に拝借し、設えさせて頂きます。
是非お立ち寄り頂き、お客様の想いのこもった品々を、直接ご覧いただけますと幸いです。
「伝統と革新展」概要
1) 日時:2025年 6月26日(木)・27日(金)・28(土)
10時~16時 (28日のみ15時まで)
2) 場所:真言宗豊山派大本山 護國寺様内
月光殿(国指定重要文化財)
■アクセス
【電車】東京メトロ有楽町線「護国寺駅」下車1番出口すぐ
【お車】首都高速5号線「護国寺出口」すぐ
駐車場:①月光殿前(無料)台数に限りがございます ②護国寺様内タイムス駐車場(有料)
3) ご挨拶とプレゼンテーション・・・代表取締役 鈴木貴央より
テーマ:【伝統と革新】
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