法衣の基礎知識解説シリーズ~法衣編・法衣とは~
こんにちはすずきです。
じっとりと雨の降る季節となりましたね。雨粒にぬれて光るアジサイの花を見ることができるのもこの時期だからこそ。いかがお過ごしでしょうか。
さて今回から新しいコラムシリーズを連載いたします。
その名も、「基礎知識解説シリーズ」です。
こちらではお衣やお袈裟にまつわる基本知識をシリーズでご紹介していきます。
またこのシリーズ紹介する法衣は、天台宗、真言宗で使われるものが中心となります。
さて第一回目となる今回のテーマは「法衣」です。
そもそも法衣とは何か。知っているようで初めて耳にする情報もあるかもしれません。
それではさっそく始めさせて頂きます!
1)法衣とは
「ほうい」または「ほうえ」とも読みます。僧尼の着用する衣服の総称です。
2)法衣の起源
法衣とは、元来、戒律に定められた三衣「僧伽梨(そうぎゃり)」「鬱多羅僧(うったらそう)」「安陀会(あんだえ)」を指す言葉でしたが、仏教がインドから北方の寒冷地や中国地方に伝播・拡大するにつれ、袈裟に加えて下に着用する衣服を総称する言葉へと変化していきました。
北方の寒冷地で使われるようになった下衣、中国で使われるようになった直綴や編杉など、「法衣」に含まれる衣服には、多くの種類があります。
※僧伽梨 :大衣ともいい、九條~二十五條までの袈裟を指します。
鬱多羅僧:上衣ともいい、七條衣のことを指します。
安陀会 :中衣ともいい、五條衣のことを指します。
これらを総称して「三衣」といいます。
袈裟(画像は”僧伽梨”、”大衣”とも言われる二十五條袈裟)
お衣(画像は直綴)
3)現在の法衣と注意点
現在では、以上の意味を離れ、袈裟と区別して、下に着用するもののみを総称して使うこともあります。
「法衣」は、「法服(ほうふく)」、「衣(ころも)」ともいいますが、その様式は、宗派によって異なり、一定ではありません。また僧階に合わせて法衣の色が決まっており、法衣を見ればその方の僧階がわかります。色や僧階については宗派ごとによって異なりますので着用される際はご自身にあった僧階色をお選び頂くよう、注意が必要です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
これからこのようにさまざまな法衣の基礎知識をご紹介して参ります。
どうぞお付き合いください。
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